肩こり・首こり解消法>公費負担の難病！頸椎後靭帯骨化症ってどんな病気？

頸椎後縦靱帯骨化症（脊柱靱帯骨化症ってどんな病気？
頚椎はご存知のように７個の椎骨があり、その前後に靱帯があり
ます。前を“前縦靱帯”、後ろ側を“後縦靱帯”と呼びます。
頸椎後縦靱帯骨化症とは、後縦靱帯が骨化肥大して脊髄を圧迫し、
手足の機能障害を起こす病気です。
無症状で自覚症状の無い場合もありますが、症状としては両手、
第３関節までのシビレ、左右の手の肘以降の脱力感、両手の握力、
筋力の低下、両足の脱力感等です。
立ち上がるときや歩行時にふらふらしたり、ペンや箸を落とした
り細かな作業が出来なかったりといった状態が出てきたりします。
さらに排尿排便異常などの重い症状を伴う場合もあります。

元来、柔らかいはずの後縦靱帯がなんらかの原因によって骨化し
て肥厚し、頚椎や神経根を圧迫するために様々な障害をおこすも
のです。
なぜ骨化するのか原因はよくわかっておりませんが、関係するもの
として、遺伝的素因、性ホルモンの異常、カルシウム・ビタミンＤ
の代謝異常、糖尿病、肥満傾向、老化現象、全身的な骨化傾向、
骨化部位における局所ストレス、またその部位の椎間板脱出など色々
な要因が考えられています。
特に家族内発症が多いことから遺伝子の関連が有力視されているよう
です。
病気が発症するのは中年以降、特に50歳前後で発症することが多く、
男女比では２：１と男性に多いことが知られています。
また、糖尿病の患者さんや肥満の患者さんに後縦靱帯骨化症の発生
頻度が高いことが分かっています。

治療には保存療法と手術療法があります。
保存療法は骨化によって圧迫されている神経を保護することが治療の
主目的になります。
頚椎における保存的療法ではまず頚椎の安静保持を保つため、頚椎の
外固定装具を装着します。
この時、頚椎は快適な位置にあること、そのためには高さの調節可能
な装具を選択することが必要です。
また、首を後ろにそらせる姿勢は避ける必要があります。
その他、薬物療法として消炎鎮痛剤、筋弛緩剤等を内服して自覚症状
の軽減が得られることがあります。
症状が強い場合は手術治療します。手術方法は骨化の状態や部位に応
じて様々な方法があります。
頸椎では神経の圧迫を取るため骨化部位を摘出して、その部位を自分
の骨で固定する前方法と骨化部位はそのままにして神経の入った脊柱
管を拡げる後方法がありますが、後の方法が選択されることが一般的
です。
胸椎では背骨が丸くなっているため、後方法で脊柱管を拡げるだけで
はなく、ボルトなどを用いて固定を加える手術が行われることが多く
なっていますが、前方法が選択されることもあります。